2017/07/02

【映画】 チート主人公の夢物語/ラ・ラ・ランド


55点


 期待を持たせると悪いから先に言うけど、私は残念ながら絶賛できなかった。遠慮せずに言うと、ストーリーがない。ミュージカル映画だからいいといわれりゃそれまでなんだけど、テーマのわりにちょっと都合が良すぎる。

 なにが都合いいかって、「夢を叶える物語」のくせに、セブは昔なじみの男にちょうどよく声をかけられてちょうどよくキーボードのポジションを得て、金を稼いで店を開いちゃう。ミアはオーディションに落ちまくってたし舞台も酷評されてたはずなのに、ちょうどよくこの舞台を見てたっていう関係者から連絡が来て、オーディションに受かって、その映画がきっかけで大物女優になっちゃう。あんなに苦労してた(はず)のに、2人とも5年の月日でケロッと夢叶えちゃう。当人の努力じゃなくて、周りが導いてくれた結果じゃあ「夢物語」として成り立ってないと思うんだけど。

 そして一番都合のいい展開なのは、ことあるごとにセブとミアが出会っちゃうことね。もうね、いっそ笑っちゃう。パンくわえながら走ってたら曲がり角で可愛い女の子とぶつかって恋に落ちるっていうアレと同じレベルだぞこんなの。

 こんなにボロクソ言っちゃうのも、私がめちゃくちゃに現実主義で、ストーリーにどうしても目が行っちゃう人間だからなんですわ。だから、多分だいたいの人はとても楽しめると思う。けど、私みたいにクソ現実主義で斜に構えた人間は正直ハマれないと思う。残念だったな、私たち(肩を組む)。

 あとね、まだ言うけどね、CGがめちゃくちゃダサい。プラネタリウムのシーンどうした??? あれは笑うとこでいいんだよな????? 音楽と映像だけで魅せようとするんだったら、もうちょっと頑張らなきゃいけなかったでしょ~……とガッカリしてしまった。しかもやっとキスできたシーンだったのにさあ、大切なシーンだったじゃん……なんでや……。

 まだまだ言いたいことはあるけど、これから見に行く人はあんまり期待しない方がいいぞということと、アカデミー賞取らなくてよかったということだけは言っとく。

 ここまで酷評しといてなんだけど、おもしろくなかったっつうわけでもない。特に最後の展開は華麗すぎて、というか最後の15分くらいがこの映画の本編と言っても過言ではないくらい華麗だった。散々現実じゃねえと言ってきたけど、最後の展開だけはめちゃくちゃに現実。「あ~あそこでああしてりゃよかったな~」とか思いつつ、お互いもう別の人生を歩んでて、もう交われない存在になってる。そんで、まるで拳を突き合わせるかのように2人が視線を合わせて、また自分の道に戻んのよ。このときのエマ・ストーンの表情がカッコよかったわ~。エマ・ストーンに恋する映画でしたね。

 でもこの手のやり方ってチャゼル監督の前作セッションでも同じなんだよね。中盤はダルいんだけど、最後に超特急展開で巻き返して「良い映画だったでしょ?」みたいな。見終わった直後は勢いで「良い映画だった!」って言っちゃうんだけど、あとあと考えると「そうでもなかったな」となる。セッションだってもうあんま話覚えてないもんな自分……。

 画面がずっとかわいいのはよかった。女性も男性も衣装がかわいいし、画面の彩度が高くてハッとさせられる。音楽も楽しいけど、視覚が楽しいのが個人的にはよかったなあ、うん。

 本当の映画通の方ならいろんなオマージュを探しながら楽しめるんだろうが、私はそこまで映画を知らんのでそこの評価はできません、ごめんなチャゼル。

 
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